学んで人生を切り開こうとする在日クルド人の少年―書籍「#埼玉クルド人問題」より
その結果、どの国の言葉もうまく使えなくなり、内面の成熟の程度にも影響してしまう。抽象的な思考、深い思索が、言葉が使えないゆえに、行えなくなるためだ。また社会常識も学ばず、簡単な計算、教養も身につかない。親も教育に熱心でなく、コミュニティに勉強の文化がない。全ての人が母国語を使え、高度な計算ができる日本人のような集団は世界で例外的なのだ。

(写真)トルコの子供たち(イメージ、ゲッティイメージより)
学ばずに不幸に陥るクルド人
テロ組織PKKが1980年代に、恐ろしいテロを行った。トルコ語教育を否定するため、学校教師を殺害したり学校を爆破したのだ。そのため今の40代以上のクルド人は、それを恐れ小学校にも通っていない人がいるという。学ばないというテロによる呪いが、40年後の今になって現れている。当然、教育を受けていないと、トルコ本国ではいい仕事につけない。だから彼らは日本に来る。
在日クルド人の子供の法的立場は曖昧なままだ。そのため人生設計も描けない。日本にいる限り、男の子は10代前半からの解体業、女の子は家事手伝いか、一族の通訳か、早期の結婚しか選択肢がない。もちろん、解体業も主婦も立派な仕事だが、それしか人生の選択肢がないのは残酷だ。
それが在日クルド人の若い男性の非行や粗暴さにつながっているようだ。埼玉クルド人問題を「差別だ」「ヘイトだ」と騒ぐ、弁護士、NPOなどは子供の教育について、ほとんど何もしない。お金にならないためであろうか。その問題で一番、是正すべきと警告をしているのが、「在日クルド人の敵」である、私、石井孝明であるという奇妙な状況になっている。その偽善がとても私には不快だ。
私の著書「埼玉クルド人問題―メディアが伝えない多文化共生、移民推進の真実」で、以下の日本人のインタビューを取り上げた。埼玉県南部ではボランティア、NPO、私塾、公立学校の課外授業の形で日本語が教えられている。希望で身元は隠し、情報は一部ぼかす。この詳細はこの本に書かれている。
偽装難民だから日本語を学ぶ機会なし
「日本語教室で教えています。他の外国人は積極的に日本語の無料講座を学びにきます。傾向として、中国人の日本語習得の意欲は強いです。親は勉強させて、子供に日本で生活できるようになることを願っています。
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クルド人は来る人が少ないです。そしてささいなこと、例えば授業の遅刻、また態度の改善を注意しただけで、すぐ怒り出します。根気もなく、すぐに教室に来なくなってしまいます。