原子力容認広がる、世論調査から考える次の一手

原子力に福島事故以来広がった反感は和らぎ、冷静に受け止める人が増えている。エネルギー問題を観察する人は、最近の日本の原子力をめぐる世論の動きをこのように感じるのではないか。その結果を裏付ける調査を日本原子力文化財団が3月に発表した。「原子力に対する世論調査」の2024年版だ。
石井孝明 2025.05.19
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原子力への否定的なイメージを持つ人は相変わらず全体の7割程度いる。一方で利用に肯定的な意見は過半数を超え、この増加傾向は18年から続いている。また「わからない」とした意見は全世代で増加した。これをどのように解釈すべきか。

(写真)2011年に事故を起こした東京電力の福島第1原子力発電所(iStocksより)

(写真)2011年に事故を起こした東京電力の福島第1原子力発電所(iStocksより)

原子力のイメージは改善

この調査は2007年から行われ、現在で18回目だ。発表された調査は24年の10月に、15歳から79歳までの個人を対象に全国1200人に行った。原子力に関する世論の動向や情報の受け手の意識を正確に把握することを目的として実施している。同財団は、10年度以降の報告書データを全て公開している。

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  • 薄れる関心を繋ぎ止めるには?―若い世代への広報が鍵

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