竣工に向け最終段階、日本原燃の六ヶ所再処理施設-完成は大丈夫か?

再処理工場等の全景。工事の進捗によって状況は日々変わる。多くの設備の近影は安全対策のため、公開されていない(原燃提供)
再処理工場の竣工は延期
筆者は同所を2023年3月末に訪問し、それを「完成目指す青森県・六ヶ所の核燃料再処理施設、現状を取材」という記事にまとめ、報告した。ここには、日本の国策である原子力燃料サイクル(核燃料サイクル)のための重要な施設が集まる。
再処理工場は、使用済み原子力燃料からウラン、プルトニウムを抽出し、高レベル放射性廃棄物を分ける。プルトニウムは、それを使うプルサーマル発電向けのMOX燃料(ウラン・プルトニウム酸化物混合燃料)の材料となる。
前回の訪問の際に、日本原燃は2024年の再処理施設の竣工を目指していた。しかし24年8月に同社は竣工を「2026年度に延期」を決定、公表した。それを含めて27回の延期となっている。遅れは残念で、原子力関係者の期待を失望させるものだった。
経済・環境記者の石井孝明が、移民・外国人労働者、エネルギー、金融・マーケットを中心に取材した情報を深掘りの解説をつけてお届けします。サポートメンバーのご支援のおかげで多くの記事を無料で公開できています。品質や頻度を保つため、サポートいただける方はぜひ上記ボタンから月額のサポートメンバーをご検討ください。
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