日米貿易交渉で注目、米国産バイオエタノールの現状を取材(上)

(写真1)輸送手段の脱炭素のため注目されるバイオエタノール(イメージ、iStockより)
日本とアメリカの両政府は、貿易・関税交渉で7月22日に合意した。アメリカのトランプ大統領は8月1日から日本からの輸入に25%の関税を課すと通知していたが(自動車と部品には既に課税されていた)、これは止められた。ホワイトハウスのファクトシートによると、日本はトウモロコシ、大豆、肥料、バイオエタノール、持続可能な航空燃料(SAF)を80億ドル(1兆2000億円)購入する。数量目標は示されなかったが、バイオエタノールは今後の日本の対米貿易赤字の削減策として注目されていくだろう。
日本のガソリン・軽油の末端小売価格は、年約5兆5000億円(2020年)。その10%がバイオエタノールに置き換われば、5500億円と大きな市場になる。
このバイオエタノールに関わる米国の人々の考え、そして利用の課題はどのようなものか。それを6月初旬に現地取材した。関係者はそろって日本への輸出拡大に期待していた。一方で日本が向き合う課題も見えた。その情報を基に、日本には目新しいこのエネルギー商品の先行きを読者と共に考えてみたい。
済・環境記者の石井孝明が、移民・外国人労働者、エネルギー、金融・マーケットを中心に取材した情報を深掘りの解説をつけてお届けします。サポートメンバーのご支援のおかげで多くの記事を無料で公開できています。品質や頻度を保つため、サポートいただける方はぜひ上記ボタンから月額のサポートメンバーをご検討ください。