ナベツネさんに教わった「情報」の扱い方-ゆがんだエネルギー報道に思う

 情報はバイアスや思い込みにゆがめられる。ある有名記者と私の会話の記憶を辿りながら、情報の扱い方やメディアとの適切な向き合い方を考えてみたい。その有名人は読売新聞グループ本社の代表取締役主筆で、24年12月に98歳で亡くなったナベツネこと渡邉恒雄氏だ。
ishiitakaaki 2025.03.10
読者限定
(写真)渡邉恒雄回想録(中央公論新社、2002年)

(写真)渡邉恒雄回想録(中央公論新社、2002年)

 エネルギーをめぐるでは、近年では「原子力発電の縮小」、ここ数年は「気候変動」「再エネ振興」という思想に引っ張られた。どの立場の人にも、バランスの取れた情報に接して適切に対応を考える環境が整えられなかった。それにはメディアの報道が影響している。

***

経済・環境記者の石井孝明が、移民・外国人労働者、エネルギー、金融・マーケットを中心に取材した情報を深掘りの解説をつけてお届けします。サポートメンバーのご支援のおかげで多くの記事を無料で公開できています。品質や頻度を保つため、サポートいただける方はぜひ下記ボタンから月額のサポートメンバーをご検討ください。

***

この記事は無料で続きを読めます

続きは、3160文字あります。
  • 怖いイメージと違うナベツネさん
  • 原子力に冷たい読売のエネルギー論説 
  • ゆがめられるエネルギー報道
  • メディアの報道の裏を考える
  • 「メディアを信じてはいけませんよ」

すでに登録された方はこちら

読者限定
日米貿易交渉で注目、米国産バイオエタノールの現状(下)-「食糧を燃料に使うな」批判を乗り越えた
読者限定
日米貿易交渉で注目、米国産バイオエタノールの現状を取材(上)
読者限定
参院選、史上初めて外国人問題が選挙の争点にー奇妙な議員が相次ぎ落選、政...
読者限定
竣工に向け最終段階、日本原燃の六ヶ所再処理施設-完成は大丈夫か?
読者限定
順調な出発、国内初の原子力リサイクル燃料貯蔵施設-青森
読者限定
米国で原子力の活用計画が活発に-大統領からビッグテック企業まで、一方で...
読者限定
「泣き寝入りした県民を代弁」「責任を明確化」―クルド人暴力で刑事告訴の...
読者限定
クルド人、埼玉県議らを襲う-県議会は暴力におびえ、報告会見を妨害